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コンクリート打設中に雨は禁物?必ずしもそうとは言えない理由

2021.06.08
  • コラム

基礎工事に欠かせないコンクリート打設工事中に雨。大丈夫なの?

東京・八王子エリアから全国に、生コンクリート販売、基礎工事/解体、コンクリートポンプ事業を展開している小澤総業です。
マイホームやビルの建築現場などで、建物を建て始める初期段階に行われる「基礎工事」という言葉を耳にしたことがある人は多いでしょう。
簡単にいえば、建物の土台になる部分に枠組みを作り、そこにコンクリートを流し込んで固める「コンクリート打設工事」と呼ばれる土台作りの工事が「基礎工事」なのです。
そんな基礎工事に欠かせないコンクリート打設工事ですが、そんな作業中に雨が降ってきたら……?
施主さんにとっては不安ですよね。
「雨でコンクリートが固まらないのでは?」 「建物が完成した後のコンクリートの強度に不安」などといった声をよく伺います。
そこで今回は、“コンクリートのプロ”である小澤総業が、コンクリート打設と雨の相性について解説していきます。

コンクリート打設中の雨は影響あるのかどうか

結論から言えば状況によって影響のある/なしが変わる!

いきなり曖昧な回答で申し訳ありません。
ひと口に雨といっても、その降り方や季節によっても異なりますし、施工場所の状況や何の建築工事なのかによっても、雨の影響は大きくなったり小さくなったり、むしろ「恵みの雨」と感謝されたりもします。
ネット上にある個人の方が書かれているブログなどでは「コンクリート打設中の雨は影響がない」と言い切っているものも多く見られますが、状況によって左右されることがあるため、一概に雨が影響ないとは断言できないのです。
それでは、まずはコンクリートが固まる仕組みと雨との関係について解説していきましょう。

コンクリートが固まる仕組みには雨が関係している!

そもそもコンクリートが固まる理由は乾燥ではない

コンクリートは材料となるセメントに水を混ぜて、固まっていない状態で工事現場へと運ばれます。
これを「生コンクリート(生コン)」と呼び、弊社では工場で練り混ぜた生コンの販売を行っています。
みなさんがイメージするのは、ドロドロな状態の生コンを流し込んで、乾燥して水分がなくなったら固く強くなるというものだと思いますが、実はそうではありません。
コンクリートの材料であるセメントは、水と化学反応を起こして固くなる仕組みなのです。
なお、この水分との化学反応は施工後、ゆっくりと進んでいき、28日で約80%の化学反応が完了します。
ちなみに、化学反応が100%完了して本来の強度になるには何十年も必要だといわれています。

雨の影響がある状況とは?

コンクリート打設中の雨

コンクリート打設中に雨が降ってきた場合、完成品質に影響を及ぼす可能性があるため、問題があるといっていいでしょう。
生コンはセメントに砂利や砂、そして水を混ぜ合わせて作られるのですが、ここで重要なのが水とセメントの比率です。
これを「水セメント比」と呼ぶのですが、これはコンクリート1平方メートル当たりに使われる水とセメントの重量比を指します。
コンクリートは、この水セメント比を必要となる強度になるように計算して作られています。
つまり、生コンを流し込むコンクリート打設作業中に強い雨が降ると、水セメント比が崩れてしまうため、コンクリートの強度品質が保てなくなるのです。
ただし、多少の雨に降られたくらいでは品質が落ちるほどの影響はありません。

土間コンクリート打設工事中の雨

それでは、土間コンクリート打設中に雨が降ってきたら、影響はあるのでしょうか。
土間コンクリート打設とは、ビルのエントランスや戸建住宅の玄関ポーチ、駐車場などで、コンクリート打ちっぱなしの仕上げを施す工事のことです。
コンクリート打設を行った後、施工した表面をキレイにコテなどを使って仕上げていく作業になります。
この作業中に雨が降ってしまうと、せっかくキレイに仕上げた部分に雨粒の跡が残ってしまいます。
先日、SNSで土間コンクリート打設を行ったお寺が、猫の足跡がついてしまって犯猫を探したということが話題になっていました。
これと同じことが、雨によって起きてしまうわけです。
仕上げ面に雨粒が降り注ぐと、表面がボツボツと跡になってしまったり、白くなってしまったりします。
強度が出ないという話ではなく、仕上げのキレイさに問題が生じるという意味では、コンクリート打設中の雨よりもシビアに考えるべきでしょう。

雨の影響がない状況とは?

コンクリートは意外と雨の影響を受けない

逆に、雨が降ってコンクリートが濡れてしまっても影響がないのは、どのようなときでしょうか。
具体的には、3つほど雨の影響がないという状況がありますので、列挙していきましょう。

コンクリートを流し込む前の雨
言うまでもありませんが、コンクリートを流し込む前にいくら雨が降ろうが、影響の出ようがありません。
大雨による水害が発生して、セメント工場まで浸水したということであれば、影響がないとはいえませんが……。

コンクリートを流して数時間経ったあとの雨
こちらは影響がまったくないといっていいでしょう。
コンクリートが固まるためには、水分はなくてはならないものです。
逆に、この段階で急激に乾燥してしまうとコンクリートにひび割れが起こることもありますので、晴天続きの夏場は散水して、ブルーシートで養生して水分の蒸発を防ぐこともあります。

コンクリート打設工事から数日後に基礎が雨で水浸しになった
意外なことに、これも影響はありません。
コンクリートというのは、水が浸透しにくい性質を持っています。
そもそもコンクリートが固まる仕組みは、水が直接関係しているというよりは、水によって化学反応を起こして固まるので、数日後に水浸しになっても強度に影響が出るようなことはありません。

雨の強さによっては「恵みの雨」にもなる

適度な水分は乾燥を防ぐ意味で必要

これまで説明してきたように、コンクリートはセメントと水の化学反応によって強度が高まっていく性質があります。
そして、適切な強度を得るためには水セメント比が重要になるとお話しました。
これが、夏場の暑さで蒸発したり、冬の乾燥するシーズンで水セメント比が崩れてしまうと、思うような強度にならない可能性も出てきます。
そのため、コンクリート打設後に散水してブルーシートで養生するといった対策が施されるのですが、これが適度な雨が降ることによってコンクリートが固くなる良い環境になることもあるのです。
現場で作業する人たちにとっては、まさに「恵みの雨」となるわけですね。

コンクリートのことなら小澤総業にお任せください!

いかがでしたか。
コンクリートのプロである私たち、小澤総業では過去にさまざまな打設現場に対応してきました。
コンクリート打設工事中に雨が降るなんてことは、珍しくもありません。
実際のところ、作業中の雨は大きな問題になるケースは少なく、強度に影響が出るといった雨はほとんどないのです。
ただし、外観の工事となる土間コンクリート打設工事だけは、仕上がりが重視されるだけに雨はありがたくないのが正直なところです。

小澤総業では、土間コンクリート打設工事の場数も踏んでおりますので、あらゆるシチュエーションに対応可能です。

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